#83 木南記念を終えてご報告と試合の感想〜好敵手のベストはなんだかんだ嬉しい〜

こんにちは。永田です!

 

昨日大阪の長居ヤンマースタジアムでグランプリシリーズ木南記念のコーチ帯同で行ってきました。

 

来間選手の結果は5m35で3位でした。

応援してくださった皆様ありがとうございました。

一段づつですが調子が上がってきています。

 

全体の結果はこちら

竹川選手 5m65

江島選手 5m55

来間選手 5m35

澤 選手 5m35

石川選手 5m35

山本聖途選手 5m35

山本智貴選手 5m00

 

となりました。

 

詳しい試技結果は公式

いつも通り報告と棒高跳ファンとして書いていこうと思います。

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目次

久しぶりの表彰台とアクシデント

先の記述の通り来間選手は5m35で3位でした。

久しぶりに表彰台に立てた…

もちろんまだまだ行けるがとりあえず安堵しました。

 

この今までなかったバーの上がり方に少し苦手意識を選手が感じていた。

5m20

5m35

自己ベストから考えると恐るに値しないが数字の魔力は少なからずあると思う。

 

まぁそんなところも課題だったわけだ。

本人の調子は良く助走にも迷いを感じてなかった。

 

今回事前に確認していたのは最後の6歩だけ。それまでの10歩は勝手に付いてくる。

 

「まっすぐ強く吸い込まれるように」がテーマ。

織田と東京で、もやもやしてきた助走を今回クリアができていて僕も久しぶりにアップを見てニヤっとニヤけてしまった。

今日はノッてる。

 出典:井上雄彦「スラムダンク」より

 

事実選手とのやりとりは凄くシンプルなものでした。

 

スタート位置下げます

オッケー

 

ポール変えます

オッケー

 

少しポール起きるの速い気がします。

そーね。少し握りあげて曲げて時間稼いだら?

そーします!

 

5m20から行きます

オッケー

 

これだよ! この状態こそ試合当日に作り上げておくべきスタイル。

僕の仕事が少ない状態。

 

現象の確認と簡易的な相談からの即決。

やるべきことが明確で自信を持ってピットに立てている。

 

ただこーゆー状態こそ僕は緊張する…

良い状態だからこそ緊張する。

お豆腐メンタル…揺らせば崩れる。

あ、これは僕の話です。

 

そんな中5m20から始まり久しぶりに1発で越えてくれた。

全く問題なく。来間選手らしい綺麗な跳躍だった。

 

しかし5m20にチャレンジしたのは来間選手と山本智貴選手のみ、みんな5m35からスタートだ。

…強気だなと思いながらもすごい時代だなとも思ってしまう。

 

5m35は全ての選手が1回目を失敗した。

これは結果としてラッキーである。

来間選手はポールが流れて上昇中に当たってしまったため、ポールを変えてアップライトを引く選択。

 

そんな甲斐もあり2回目で成功。

 出典:井上雄彦「スラムダンク」より

 

もー安心感しかない。

流れも運びも良い。

 

多少曲がり方が甘い気もしたが頂点あっているし、本人のエンジンもかかってくれば勝手にやるであろう。

そのビジョンを見えるように明確にサポートできれば十分戦えるだろう。

 

そして他の選手も続々と2回目や3回目で成功。

 

しかし事態はそう上手く行くようにできていないらしい。

今まで見たことない来間選手を見て嫌な予感が走った。

 

指示をもらうためにスタンドに来る。

これは全ての棒高跳選手が行う行為だ。

彼はそこにDr.エアー(ブルブルと筋肉を解す筒)を大事そーうに抱えてこちらに歩いてきた。

 

(…攣ってるのか?)

 

永田さん。攣ってます。

そんな気したわ。

 

もうこればかりは現象として起きてしまったらどーしようもない。

 

よって45は挑みはしたが攻めれないため形にならない。

助走と踏み切りが武器の選手がそれを奪われたら何が残る?

そう。何も残らない。

小手先の技術など無意味。

 

攣った原因はもちろん色んな要因がある。

水分がーとか暑さがーとかそんな単純な問題ではない。

それを検証し今後起こさないことが必須。

 

と言うわけで不完全燃焼感有り余る中5m35と言う記録で3位でした。

 

一歩一歩課題に向きあう。それでしかない。


竹川選手の自己ベスト

竹川選手ついに越えてきた! 過去の自分。

アスリートは常に過去の自分と戦っている。

 

彼は4年前? 3年前? の大学3年の時に5m60を跳んだ。

鮮烈に覚えている。むちゃくちゃ上手かった。

しかも14歩。

 

僕も真似したらめっちゃ崩れた。

タイプが違う。

羨望の眼差しで見つめすぎたが故に彼の使っている技を使おうとしてしまった

炎タイプが10まんボルトを打てるわけがない。

いつも言ってる言葉が特大ブーメランとして、ぶっ刺さったのを覚えている。

 

そして一昨年から試合でずっと見てきていた選手でもあり来間選手に立ちはだかっている選手でもある。

僕は勝手に彼のことを精密機械のようだと言っている。

これは決して悪口ではない。

褒めている。

自分のやるべきことを理解し体現している

 

それを5m40や5m50まで慎ましく再現してくる。

助走、踏み切り、スウィング、クリアランス全ての流れがベルトコンベアーの作業のように一連の動作として無駄がない。

強い選手だ。

 

この竹川システムが崩れるのは5m50以上になった時くらいで、むしろそこにしか隙がない

そう簡単にエラーを起こすことがない。だから強い。

 

そして昨日も5m35を2回目、5m45を一発。

5m55は3回目といつもの隙を見せてはいたが成功跳躍はかなり浮いてた。

おそらく5m70くらいは抜けていたのではないだろうか。

 

その後5m55の名残りのまま5m65を1回で越えてくるあたりに精密機械竹川システムがグレードアップした瞬間を垣間見た。

 出典:井上雄彦「スラムダンク」より

 

それと同時に僕も嬉しくなってしまった。

 

5m65を跳んだあとは5m75に上げたが可能性は十分にある。

この先もチャレンジする機会があれば必ず越えてくるであろう。

今までもそうだったように、彼は立ち向かっては跳ね返され3位や4位に甘んじていた。

それを今回越えてきた。

 

それができる選手は強い。

 

なんだかんだ好敵手とはいえ人のベストは嬉しいもんだ。

竹川選手も体が大きいわけではない。

 

綺麗にバーを越えていく竹川選手の跳躍は観客の立場なら魅了されるだろう。

気がついたら僕もその一人になっていた。

 

今後も是非とも自身の目標に向かって頑張ってほしい。


最後に

またしても思い通りに行かない試合となってしまったが少しづつでも良くはなっている。

去年は去年で今年は今年。

決してぶつ切りで考えているわけではない。

長い日々を重ねては人の体が変化、成長するようにあの時の自分とは全てが同じなわけではない

 

今の自分をどうするべきなのかに向き合わないとアスリートの成長は停滞する。

というか人の成長は停滞する。

 

過去の武勇伝をいつまでも話ちゃうのはおじさんと一緒だよって話

 

次は次の課題を潰すべく来間選手らしい試合ができるようサポートしたいと思います。

 

竹川選手本当におめでとう!

 

ではまた次回っ
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