#114 全日本インカレ〜順大の棒高跳選手たち〜

こんにちは。永田です!

 

先日学生の全日本インカレが行われ僕の母校の順天堂大学が総合優勝を果たしました。

OBとして嬉しい限りです。

 

実際に会場に足を運ぶことはしませんでしたが、YouTubeなどで結果を追っていました。(ワクチン副反応で寝込んでいました。)

今回話したい内容は男子棒高跳に関して順大の学生とのエピソードを踏まえて書いていこうと思います。

 

まず棒高跳の順大生の成績がこちらです。

奥 選手 5m30 3位

石丸選手 5m20 7位

中野選手 5m20 9位

 

自分たちの力を尽くしたのかそうでないのかは、まだ本人たちと話をしていないため数字でしか判断できませんが恐らく納得できる結果には一歩届かなかったのではないかなと思っています。

 

一人一人に背景があり色々とコミュニケーションをとりながら僕なりにサポートをしていきたつもりです。

少しだけ彼らのキャラクターも踏まえて書いていこうと思います。

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奥選手

奥選手は今季絶好調で春先の水戸招待陸上で優勝したり、初めての日本選手権で8位に入賞したりと勢いがありました。

 

昨年の5m10から今季で30センチ自己ベストも更新しており僕の自己ベストと同じ5m40にまで成長しました。

彼は人懐っこい性格で気がついたら人の心に住み着いているような子です笑

 

そして自分の能力や体格も含め自分のできる幅を良い意味でも悪い意味でも見極めることができる選手です。

 

彼自身も自身の体格に気づいているため、日本選手権後に相談してきたことは、「5m40跳んで満足できず、5m50の跳び方を考えるんですけど、僕の体格だと本当にハマってやっと跳べると思うと5m50は正直見えません」と言う言葉でした。

 

より高さを出すには、握りを上げる、反力を上げる、発射角を上げるがシンプルなもので羅列できると思います。

 

そうなれば僕は握りを上げることを勧めていたわけですが、15,7Fのてっぺんを握っていたため16Fに変更を余儀なくされてしまいます。

これを全カレの2週間前までずーーーーっと渋ってました。

 

「16Fってどんな感じですか?」

「16Fって感覚変わりますか?」

「16Fってあと2週間でどうにかなるもんですか?」

 

一生懸命口コミ集めをしていました笑 見ててとても可愛らしい笑

気持ちは分かりますけどね笑

 

ただ彼にも言った言葉は、15.7とか16とかの話をしているんじゃないんだよ。永田は握りの話をしているんだよ。多少のズレはもちろんあるよ、それを埋めるのが練習だよね? 分かってほしいのは握りの話でフィートの話をしてるんじゃないってこと。と伝えその日に彼は仲間に背中を押され半ば強制的に練習で16フィートを突っ込み、5m30のゴムバーを越えてニコニコしてました笑

 

そこからSNSに上がる映像は手のひら返しで16Fの映像でした笑

 

怖いと思うものを一生懸命口コミ集めをしてしまう気持ちは理解できます。

 

あそこのカレーは辛かった?

めっちゃ辛いよ! 舌ヒリヒリする!

 

あそこのカレー辛いらしいけどどうだった?

いや? そんなことなかったけどなぁ。知らんけど!

 

なんて、ずっとあそこのカレー屋の口コミを一生懸命集めても食わなきゃ分かる訳がないのです。

 

それと一緒でポールの感触の口コミ集めが長くなればなるほど一歩を踏み出すことができなくなります。

変わりたければさっさと突っ込んでみろ。です。

 

そんな経緯もあり今回は5m30で3位。

彼の中では悔しい気持ちはあるかと思います。

ただ根っから楽しみ方を知っているような子なので、表彰台の笑顔は良い顔をしていました。

 

僕が彼との全カレまでの印象に残ったエピソードは「やってみないと分からないよね」でした。


石丸選手

石丸選手は昨年の日本選手権や今年の織田記念など、来間選手と同等の試合に出れるまで成長しましたが、僕の中では掴みどころのない底の見えない選手でした。

 

それが良いか悪いかって話ではなくて、僕も彼との距離感を掴みあぐね来間選手に相談をしてみたりとしていました。

 

そして今年の春先に初めて来間選手とのミーティングに同席してもらい彼と競技場以外でコミュニケーションを取るようにしたところ、見えてきたのは自分の課題や目標が少しフワッとしていることでした。

 

自身の課題や目的がフワッとしてると何故自分が失敗したのか、上手くいったのかの判断基準がブレます。それは自分が何をすべきで、何をしてはいけないのかを見極められていないからだと僕は考えています。

 

そう言った選手には物理的に説明をしてあげると理解します。

 

物理的なことは具体的なことなので、具体的な事実が理解できれば何をすべきかも見えてきます。

彼が言った言葉は、安定してポールを立たせたい。でした。

ポールの推進力を物理的に指導しお互い共通認識できれば手段は決まってきます。

 

であるならば、スピードを殺さずに踏み切る。

体重を増やす。

突っ込みの動作の不安定さを無くす。

 

目的が明確になればフィジカル的、テクニカル的な手段が見えてきます。

 

それまで何となくやっていたポールのドリルも一日一日目的を持てばそれだけで変わりました。

 

僕も含めていかに細かな作業をなぁなぁと取り組んでいるかってことですね。

やっていることは変わらなくとも、気持ちや意識が変われば跳躍に現れます。

 

「細部に神は宿る」とはまさにこのこと。

 

そして彼は体重も増やす決意もしました。

SNSアカウントをもう一つ作り、全日本インカレまでの3ヶ月間毎日食事とカロリーを投稿してもらいました。

 

それに対し、僕は気になる事があればコメントに残します。

脂質でカロリーは稼がないように。

糖質が足りないよ。キツかったらこのサプリメントがおすすめだよ。

今日のバランスは良い感じだから、このバランスを繰り返せば感覚で分かるようになるよ。

 

など。

こういったものは継続が何よりも難しいんです。

 

ただ継続できないのは意志が弱いからではないと思っています。システムが悪いんです。

だったら僕が協力できる形、SNSに毎日投稿して永田に見てもらうという案を提案しました。

 

それを彼はやり切って目標体重で全カレのピットに立ちました。

 

ただ彼は日本選手権前に肉離れを起こし、全カレで戦うために日本選手権を棄権しました。

それが思いの外、長引き思い通りに練習が積めず不安な状態でピットに立っていたはずです。

 

真意は分かりません。今回の結果に思うことも沢山あったかと思います。

ただ僕は、彼が自分で目標を立ててそれを達成してピットに立って入賞した事実に誇りを持ってほしいと思っています。

 

彼とのエピソードで印象に残ったのは「意志の問題じゃない。システムの問題」でした。


中野選手

彼は何を隠そう、高校は違えど高校の時の恩師が同じで言わば弟弟子と言ったところです。

 

ですので彼は入学前からずっと永田の背中を追っています。

永田さんの高3の記録を越えられませんでした!

永田さんは大学1年の時いくつ跳んだんですか?

永田さんは大学の時、日本選手権で何位だったんですか?

 

と、一通り聞いた後。

じゃあそれ全部超えます!!

 

…本当にうるさい笑

 

今だに、永田さん! 勝負しましょう!

と過去に前線で戦って今やボロボロの老兵にフレッシュな若者兵が平気で、はいっと剣を握らせて「では」とファイティングポーズを構えてくるような子です笑

 

そして彼はアドバイスを受けると言うよりかは、1人で自問自答して僕の前でペチャクチャ喋って勝手に次の課題を見つけていく。

だから僕はどちらかと言うと、うん。とそうだね。しか言っていません笑

 

ただ、明らかにおかしい時と答えを見いだせない時は伝えます。

そして核心的なことも。

 

そして今回も9位と入賞を逃してしまいました。

無効試技が多かったが故の結果です。

 

5m10も5m20も3回目に成功させているため、一見勝負強さはあるのですが、高校生と大学生となるとやはりステージが違うので、そういうのも通用しなくなってきます。

 

上のステージに行けば行くほど、跳べる高さは確実に一回目で跳んできます。

だから強者は次のステージに進めるのです。

一回目から自分の跳躍ができないの課題でもあり、彼も自覚しています。

 

ただ最善を尽くした結果だと本人もメッセージをくれました。

自分で立って前を向くために必要な言葉を発しているようにも聞こえました。

もちろんそれは本人の心の中しか分からないので憶測でしかありません。

 

彼はまだ2年生で今後が楽しみな選手です。

確実に過去の永田を倒しその先に進んでくれると信じています笑

 

ていうか過去の永田と戦ってる時点で永田の亡霊に取り憑かれているんですけどね。

さっとお祓いして自分の極限を目指してほしいと思っています。

 

一事が万事ではない。この言葉を彼には伝えました。

今回の結果が彼を変えるだろうし、覚悟も灯すかもしれません。

 

今回の結果は彼からしたら◯はつけられないだろうと思います。

しかし、もっと大きな◯をつけるために今回必要な結果だと思うここと、思ったからにはもっと大きな◯を獲得するためにすべき事を考える必要があるという事です。

 

引き続きサポートしていこうと思います。


最後に

今回全日本インカレに2人入賞したのは2010年の僕が4年生だった時以来です。

しかし、8位の入賞ラインが僕の世代からは上がっています。

 

また優勝が1年生で2位も1年生です。

素晴らしい事だしレベルは上がってきている…と同時に世界のレベルも同様に上がっているということ。

 

オリンピックを見て世界は待ってくれないと感じた話

 

そして3人のサポートを一番してくれていたのは先輩の来間選手だと思います。

彼が一緒に練習していることで順大の底が上がっているのも事実だし、アドバイスもしてくれています。

 

僕が彼にサポートしてきたことや考え方を後輩に熱心に伝えてくれていて僕も嬉しく思います。

彼とはあくまで選手とコーチですが、学生たちに関しては僕の右腕のような感覚です。

そのうち彼にも将来的に本体化してもらいたいなとも思っています。

 

そんな来間選手は今週末に大阪で全日本実業団を控えています。

今季の締めくくりとして彼自身が思いっきった跳躍をできるようサポートしたいと思います。

 

ではまた次回っ

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