#107 「コツを教える」から「コツをつかませる」〜練習日誌の1ページ〜

こんにちは。永田です!

 

練習日誌を書いている人も多いかと思いますが、僕も高校1年生から28歳まで書いていました。

ふと出てきたのでパラパラとめくっていたら、とても興味深いページが出てきたので紹介します。

 

小さくて読みにくいので後述しています。この写真で読まなくても大丈夫です。

 

これは大学3年生の時に初めて陸連の強化指定選手に入り、合宿内のミーティングで聞いた内容だと思うが、今ノートから出てきてもさっぱり内容を覚えていない…(これだから永田は。)

 出典:藤子・F・不二雄「ドラえもん」より

こんなに大事なことが書いてあるのに忘れていたなんて…。

 

今コーチとなりトレーナーもそうだけど、人に指導する上で運動動作に対して「コツ」が何なのかをレクチャーしている。

 

ノートには2つの方法と書いてある。

今一度このノートから考えられることを今の脳みそで書いていこうと思う。

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目次

選手やクライアントの動作を変える

ウェイトトレーニングにおいても陸上競技のスプリントや跳躍動作、鉄棒やロープ動作などほとんどの運動動作にはコツがある。

 

運動神経などももちろん存在するが、僕たち指導者が教えているのは運動神経を上げることではないと僕は考えている。

意識感覚を指導している。すなわちコツだろう。

 

できない人ができるようになるには。

 

ノートの項目に以下のように書いてある。

指導者の考える動きや意識感覚に合うように選手や生徒のものを意図的、非意図的に変える、あるいは近づける。

 

つまり動作を表現するのはコーチでない以上コーチの言葉を選手や生徒が表現しなくてはならない。

表現動作が違えばコーチは違うと言うだろう。

 

そこで上記に意図的と非意図的がある。

つまり目的は「選手の動作を変えること」は同じだが、手段が違うと言うことではないだろうか。

 

では意図的に変えるとはどういうことなのだろうか。

僕が考えるに選手に課題に対する意識を変えるように伝えるのではないだろうか。

 

例えば中学生時の永田を題材にしてまだポールを曲げることが難しく曲げることを課題にした場合。

意図的ならば「右手を高く左手をおでこよりも高いところにして突っ込んでごらん」

 

おそらくこれが出来れば曲がるだろう。

僕が初めて曲げた時は意図的に左手を伸ばしてみたら初めて曲がった中2に秋(人よりも遅い初曲げかもしれません)

 

では非意図的ならばどのようなアドバイスなのだろうか。

「握りを今よりも指何本かあげて思い切って踏み切ってごらん」

おそらくこれが出来ても曲がるだろう。

これは曲げる動作を意図的に指導していない。

 

これが出来たら意図せずにポールが曲がる力学的要因。

 

他にもスクワット指導するときも適切な股関節伸展を出すには。

意図的ならば「上がる際にお尻を前に引き出しながら床を押します」

おそらく適切な股関節伸展が起こせるだろう。

 

非意図的ならば「上半身をいち早く引き上げましょう」

おそらくこれでも股関節伸展は起こせるだろう。

 

僕が今考えるに意図的な変化とは目的に対して自ら力学的要素を加えるキューイングなのではないだろうか。

そして非意図的な変化は別の意図を達成すれば目的の意図も達成できる「結果そうなる」というキューイングなのではないだろうか。

 

そして振り返れば僕は非意図的なキューイングが多いなと思う。

その理由は選手に固定概念を持ってほしくないから。

それを達成するのはその手段しかないと思ってほしくない。

 

その手段しかないと思うと目的がすり替わりやすく、手段が目的化してしまう。

「足を速くする」に対して「走り込み」しかないわけではない。

 

「高さを跳ぶ」ために「長いポールを使う」がいつしか「長いポールを使う」が目的になったりする。

多角的に目的を達成するために僕は非意図的に指導をしたりする。

 

そうやって力学の表現を選手が理解できれば、選手自身で考えて競技に取り組めると僕は考えている。


データを理解できる

データ…と言われると急に自信がなくなる笑

そしてデータを理解できるか? と言われるとさらに恐怖…笑

 

ただ僕が思うにデータは情報であり一つの結果でもある。

大事なことは何故その結果になったのか。なのだと思う。

 

昔、母に高跳やっていれば身長が伸びるのかしらと言われたが絶対違う

(母は強烈な天然で、僕もその血が流れているため、たまにその血が騒いでしまう)

結果として背が高い人が残っているだけだ。

 

これは背景が簡単なデータだが、中にはデータだけ見て背景が想像できないものもある。

日々科学は進歩しており色んな論文が発表されている。

 

最近興味深かったのは代謝の論文。

「歳をとると代謝が落ちるからね〜」なんて何かと年齢を理由にこれ以上永田を踏み込ませないようシールドを張り巡らされていたが、その論文は20代と50代で代謝量は変わらないと発表された。

 

ヒトの代謝は20代から50代では低下しない

 

となると中年太りは代謝のせいではないとなる。

つまり歳を取っても代謝が下がる心配がないのは人類にとって希望だと思う。

 

では中年太りの原因は何なのだろうかを考えなくてはいけない。

・食生活

・腸内環境

・睡眠不足

・ストレス

・アルコールや喫煙

 

など色んな背景が考えられる。

ここまで考えて判断を決断することがデータを理解できる指導者なのだろう。

 

もちろんこれ伝え方をミスると大事故になる。

「代謝は年齢で下がらないのでそれ違うよ。中年太りの原因はおそらく右手に持ってるフラペチーノだよ」

なんて言ったら空間崩壊が起きたのち僕の顔はフラペチーノまみれになってそうだ。

 

オリンピック走高跳び代表の戸部選手もコーチに「エビデンスベースで競技をしなさい」と指導を受けていた。

 

科学は色んなことを良くも悪くも証明している。

そのデータを読み解ける読解力と背景の想像力が指導者には求められるのだろう。

 

そしてそれは選手やクライアントに伝え「コツを教える」から「コツをつかませる」に必要なスキルだとノートには書いてあった。


最後に

「コツを教える」から「コツをつかませる」への2つの方法を過去のノートから紹介し今の自分の脳みそで考えてみた。

 

・意識感覚の変化を意図的、非意図的に指導する

・データを理解できる

 

当時大学3年生の永田は理解していただろうか。

多分理解せずノートに書いて満足していたに違いない。

 

今回ノートから考えたくなる1ページが出てきたので紹介しました。

 

選手によって伝え方を変える。なんて伝えれば僕の言葉を動作で表現してくれるのか。

 

データは何を背景にその結果になったのか。それを解いて数ある手段の中から最善の判断を決断すること。

 

当時の僕には難しかったと思うし、今考えても答えは分からない。

ただ選手やクライアントにコツをつかませるために今回のこの1ページを見つけ出したことを嬉しく思う。

 

21歳の永田よく書き残してくれた!

 

初めて陸連合宿に参加できた話

 

ではまた次回っ
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