#132 罪と罰〜天才はルールを犯しても良いのか〜

こんにちは。永田です!

僕は普段から電車に乗ったら本を読むルールを設けている話をしたことがあります。

 

で、今回、読みたいなぁと思いつつずっと敬遠していた本を読み終えたので書いていこうと思います。

 

読んだ本はこちら

ドストエフスキー著 罪と罰

 

誰もが聞いたことのある作品でしょうし、どんな作品なのか興味がずっとあったのですが、なんせ長いっ!!

そのページ数約900ページ。

 

広辞苑か。

僕としては富士山に登ろうかと言うような心構えを作らなくてはならなかったのだが、若い時に読むよりも今読んでみて本当に良かったと感じています。

 

そんな内容を書いていこうと思います。

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目次

天才と凡人

この作品は罪と罰の他にも天才と凡人、貧困と富豪についてもテーマとして描かれています。

 

まさに社会の格差がテーマであり、1800年代半ばのロシアが舞台ではありますが今も尚読まれ続ける理由は世界各国の普遍的なテーマを使っているからだと思います。

だからこそ900ページを読むことが出来ました。

長いけれど面白い。

 

7月の初め、異常に暑いさかりの夕方近く、ひとりの青年が、S横町にまた借りしている小さな部屋から通りに出ると、なにかを心に決めかねている様子で、ゆっくりとK橋のほうに歩きだした。

と言う冒頭から始まる罪と罰。

 

まず主人公のラスコリニコフは極貧の元大学生。

元大学生とは極貧すぎて学費を滞納してしまい除籍処分を食らっています。

更に仕事もしておらず、高金利金貸し老婆に質草を入れ金を借りる生活です。

 

自身の生活のために高金利金貸し老婆を殺し、完全犯罪をやってのけ、最後まで証拠不十分で犯人特定には至らないものの、自ら犯した行為に苦悩し自首すると言う結末です。

 

170年前の作品にネタバレもクソも無いと思いますので…笑

 

しかしラスコリニコフが書いた論文が雑誌に記載されるなど頭脳明晰な面々も描かれています。

 

ここですでに極貧、天才の要素が出てきます。

 

そしてその論文のテーマこそ本書のテーマ。

「天才の思想の実行にあたり、全人類の救済になり得るのなら、法を踏み越える必要がある場合がある」

 

エジソン、ナポレオン、最近ならばスティーブ・ジョブズ、ジェフベゾスなどの天才たち。

つまり、この発見や技術が世に出れば人の生活は激変する!

 

しかし、それを阻んでくる人間がいるとしたら彼らは法を犯して殺人を行っても良い。

と言う文字に起こせば過激で傲慢な犯罪論です。

 

早い話が世の中が良くなるためなら天才は人を殺しても良い。

夜神月です。

 出典:大場つぐみ「デスノート」より

 

ラスコリニコフは頭脳明晰かもしれないのですが、やったことは金貸し老婆の殺し。

自分は天才だから僕を含め老婆に苦しめている人のためなら老婆を殺す権利がある。という思想です。

 

さてこの天才と凡人のテーマ、実は世の中にたくさん蔓延っているのでは無いでしょうか。

犯罪とまでは行かなくともルールも同じことが言えそうです。

 

僕が過去に思っていたことは部活の集合や朝練に競技力の高い人が全然こないけど何か許されていた暗黙の了解があったように思います。

  出典:井上雅彦「スラムダンク」より

このあと田岡監督は寝坊した仙道を怒る気を失くしています。

 

寝坊が悪いとか悪くないとかではなく、同じ寝坊でも競技力によって、なーんか違う感じになるよなぁと過去に感じていたことがありました。

 

天才なら組織のルールを多少違えようがなーんか許される。

これは部活動に限らず会社や組織ならありそうな話です。

果たして平等とは何でしょうか? という思いをしたことも皆さんも一度はあるのではないでしょうか?

 

そしてどこからが天才なのでしょうか?

ラスコリニコフは作中で犯罪を犯したのちに「天才はブロンズでできている」と言っています。

 

過去に偉業を成し遂げたナポレオン、コロンブス、当時は国にとっては偉業でした。

しかし時が経てば彼らが行ったことは先住民の虐殺だったり国家侵略です。

 

そして今なおブロンズ像として街や公園に佇んています。(コロンブス像に関しては最近市民によってぶっ壊されているみたいですが…)

 

ラスコリニコフは自らの犯罪論に乗取り自分を天才だと、思ったから老婆を殺します。

しかし翌日には恐怖を感じ体調を崩したり、人の言葉が信じれなくなったり、情緒が不安定になったり分かりやすく心がぶっ壊れます。

 

だからこそ「天才はブロンズでできている」という言葉。

ラスコリニコフはこの言葉を「心」も含めてブロンズだと言ったのです。

 

天才はまず人を殺したところで心を壊さない。心までもブロンズなんだ。

つまりこんなに怯えている僕は天才ではないのか? という葛藤をずっとしていました。

深い。

 

ちなみに大学生の時の僕は、寝坊をしただけで軽くパニックになる凡人です。

おそらく仙道のような天才は寝坊如きではパニックになりません。

おそらく流川もパニクりません。


最後に

今回は全部書くとめちゃくちゃ長くなると思ったので、次回に罪と罰についてまとめようと思います。

 

ですので天才は人々の為なら法を犯しても良いというテーマで今回は書きました。

言いたいことも分かるけど犯罪は犯罪なので守らなくてはなりません。

法のもとでは皆平等です。

 

日々生きていればこんな奴いなければ世の中はもっと良いのに。って思う事もあるかと思います。

でもそいつを殺したところで思うように行かないのが人生です。

 

人のために何かをしたいのであれば、犯罪以外で達成することを考えましょう。

 

天才と凡人は尽きない格差のテーマではあります。

どのような人であれ自分と関われる人を幸せにしようという気持ちが大事で、社会全体を変えようとせず、身近な人の幸せを意識すれば色んなことが好転していくのではないのかなと僕は考えています。

 

夜神月は、我こそは新世界の神理論と、デスノートというツールによりダメになってしまいました。

もちろん彼の理想郷も理解はできますが…。

 

ラスコリニコフと夜神月の共通することは「自分は天才だ。という傲慢な考え」の持ち主だったということです。

 

自分は人と違う。など傲慢な考えや、人と違うと思いたい。という感情が出てしまう時がありますが、一人の人間の力なんてちっぽけなことを肝に銘じなくてはなりません。

 

次回は罪と罰のタイトルを僕なりに感じたことを書こうと思います。

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罪と罰 3 光文社古典新訳文庫 / Fyodor Mikhailovich Dostoevskii ドストエフスキー 【文庫】

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感想(0件)

ではまた次回っ

関連:電車に乗ったらKindleを開く話

 

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