こんにちは。永田です!
6月26日に日本選手権の男子棒高跳が行われ簡単に報告と感想を書いていこうかなと。
まず、僕が指導するストライダーズの来間選手は5m30で12位という結果に終わりました。
ここまで東京オリンピックを視野に入れて取り組んでいたとはいえ、結果は現実味のない終わり方をしました。
ここまでサポートしてくれた会社の皆様やトレーナーやスポンサーの方々に感謝しています。
トップ8は以下の通り
竹川選手 5m70
江島選手 5m60
石川選手 5m60
山本選手 5m60
重藤選手 5m50
尾崎選手 5m40
堀川選手 5m40
奥 選手 5m40
詳しい試技結果は公式より
自国開催のオリンピックパワーを感じる結果となりました。
トップ8で自己ベストが3人
自己タイが2人
条件が良かったのもあるがハイレベルな戦いだった。
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目次
クオリティに欠ける内容
そして今回の来間選手は試合に挑むに当たって気持ち面では抜けはなかったと思っている。
春先の課題であった脚合わせに時間がかかってしまうのも試合を重ねるにつれて2本目で踏み切ることができている。
しかし当日彼は助走に僅かな気持ち悪さを感じながら練習試技を終え本番に臨む形となってしまった。
僅かなズレを感じているから思い切り行けない。
つまり助走が安定せず同じ助走ができない。
そうなると同じポールでも同じような形にはなってくれない。
尽きるところココに堂々巡りをしてしまう。
これは僕も気持ちは痛いほど分かる。
そして解決する方法も僕は理解していても彼はまだ理解していないし自分で会得するほかない。
80点の助走ができれば良いのだが60点になったり100点になったりするもんだから安定しない。
要は100点は出なくとも80点の出し方が分かれば許容範囲内に入って跳躍も安定してくるだろう。
ただ彼はそれを見出してはいない。
そんな中最初の5m30を流れて1回落とした。
うん。まぁ良いよ流れてるからポール変えて入るための助走しようよ。
2回目はポールが立たず落とした。
助走自体は走れてないわけじゃない。準備だけしっかりやればポールの懐に入れるから大丈夫。(ほ、ほら、い、いつものことじゃない…ホントに追い込まれたがりだよね…。ガクブル)
あとはもう永田ができるのは信じることだけ、祈ったって何かが起こるわけじゃない。
彼を信じるだけ。
そして跳んでくれた。
(あーもうなんなの。心臓一つじゃ足りないんですけど! 毎回毎回スロースターターなんとかならないんかい。)
とか思いながらも永田もそんな選手だった。
そして選手自身が一番怖いのも知ってる。
だからこそ彼の課題は分かってる。
あとは時間をかけて80点の助走を会得させるだけ。
次の5m40はエンジンがかかってきたとはいえ、また助走が60点になったり90点になったり…。
そうすると入りも安定しないため跳躍の頂点が1本1本違い50センチ前後移動してしまう。
結局合わせられず5m30で競技終了となった。
彼の望む結果に導かずコーチとして未熟な部分もあるし、まだまだ分かっていない部分もある。
そんなことを帰りの新幹線で考えていた。
兵士が国力を育てる
今回の大会は過去最高にレベルが高かった。
なんていうとヴォジョレーヌーボーのアレみたいになるが10年に一度のレベルの高さだった。
オリンピックイヤーということもあり5m60を越える選手が4名。
実力からすると当たり前に越えてくる4名だった。
日本の棒高跳の当たり前が上がってきている。
そしてそれを日本選手権で跳ぶのも当たり前になっている。
この当たり前に付いていけないとどこかで心が折れてしまう。
ここからは個人的な意見になる。
今試合は今季絶好調の竹川選手が自己ベストで優勝した。
本当に天晴れ。
ウォーミングアップから見ていても隙がない。
去年まで5m50くらいから隙があり、唯一竹川システムが崩れる瞬間があった。
しかし、6月頭の木南記念からシステムが強化されて隙がない。
優勝を決めるまでの失敗の試技は5m30の1回目と5m70の1回目の2回だけ。
踏ん張れれば世界で戦えるステータスにはなっている。
日本でこれができれば基本的に優勝しそうだ。
技術的にも簡単に言えば完璧。
ちゃんと踏切に繋がる助走をしている。
ちゃんと助走の勢いのまま踏み切ってる。
ちゃんとドライブが出た後に慌てることなく、ちゃんとスイングをかけている。
それによりポールがちゃんと曲がる。
そしてそのポールの反力にちゃんと合わせクリアランスまでちゃんと抜けていく。
そしてちゃんとマットに落ちる。
そう竹川選手はちゃんと跳んでいる。
それでしかない。
ちゃんと跳ぶにはいろんなことを「ちゃんと」やらなくてはならない。
そして当日に5m70を跳ぶのにも日々たくさんのことを「ちゃんと」やっているであろう。
そして5m70に竹川選手、山本選手、江島選手の3人チャレンジし、石川選手が1人パスという状況もまた功を成した要因でもあろう。
コレが仮に竹川選手1人でチャレンジしているのであればプレッシャーのかかり方は違う。
実際に4月の織田記念、6月頭の木南記念は一人になり、優勝が確定した時にシステムに隙が生まれているのが客観的に見てとれた。
もちろん本人の気持ちは分からないが競争が終わると緊張感が抜けやすくなるのは事実。
そう思うと他の3選手がいたからこそ竹川選手は集中力を切らさずに5m70に挑むことができたであろう。
竹川選手はオリンピックには選ばれなかったが今後世界で戦うには期待ができる選手である。
しかし一人の兵が強いよりかは国力が強い方が良いに決まってる。
100mがまさにソレだ。
誰かが当たり前を引き上げなくては当たり前は停滞する。
一人の兵が強くなり、周りが引き上げられる。
人は競争なくして成長できない。
そして今僕が選手だった時よりかは当たり前のレベルが上がってきている。
日本選手権で表彰台に乗るには5m60は当たり前。
ましてや世界を見据えているのであれば5m60なんても言っていられない。
この事実を忘れずに選手のサポートにコレからも徹していこうと思う。
日本の棒高跳の発展に何が出来ているのかは分からないけれども今もなお日本選手権を会場で観れるということは幸せなことだとも思っている。
最後に
今回の日本選手権でオリンピックへの挑戦権の全てが終了した。
叶えた選手と敗れた選手といる中で、叶えた選手とそうでない選手は何が違ったのだろうか。
またコーチとして抜けが無かったかと言えばそんなことはない。
やり切った! なんて言える人はいないのではないだろうか。
やり切った! ということにしておこうだと思う。
そしてオリンピックは簡単なことではないし、オリンピックに行って終了でもない。
本当に人間の目指すべきものって際限がないし欲深いといえば欲深い。
人生において行動すれば7割くらいのものは叶うと思う。
けど僕もそうだったようにオリンピックと世界選手権だけは叶わなかった。
色んな要素が噛み合って叶うものだ。
そう思う。
とにかく「ちゃんと」やらなくちゃダメということだ。
選手と反省をして振り落とされないように秋に向けて積んでいこうと思います。
ではまた次回っ
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