こんにちは。永田です!
よくアスリートが口にする根拠のない自信というやつは何なんだろうか。
秘訣は根拠のない自信です。とか根拠ないけど自信はある。みたいな人が実際に結果を残したりすることがあります。
もしかしたら皆んな言ってて人目に出てくるのが結果残した人だけだからかもしれんが。
ただ、僕も経験上わけが分からないけど、根拠のない自信が沸いていたことが競技人生において2回あった。
高校2年のインターハイ決勝を予選敗退し芝生で観戦していた時。
高校2年の冬に横浜アリーナで行われた室内大会を観戦していた時。
共通していることは高校の先生と観戦していた時だということ。
今、僕もコーチになり当時の先生の言葉の巧妙さを理解した。
そして高校2年が競技人生で一番記録が伸びた。
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目次
来年のライバルは笹瀬だな
僕にとっては初めての全国大会となった千葉インターハイは予選敗退となった。
予選通過ラインは4m70で僕の予選は4m55だった。
そんな中決勝の舞台では、3選手が表彰台の高さを争奪するように白熱した跳躍を繰り広げていた。
3年生の川口選手と荻田選手は最後のインターハイである。
その中で笹瀬選手は1年生ながら初めてのインターハイで表彰台の座を賭けて果敢に挑戦していた。
笹瀬選手は当時の中学記録保持者で大注目のスーパールーキーだった。
3人とも当時の僕からしたら全く手の届かない選手である。
当時の僕は彼らの跳躍を見ていても5m00の技術は何をしているのか理解できない。
隣で先生は「いやぁすげーな」と唸っていた。
試合が終わり帰り際に先生が「来年もインターハイに出ような。ライバルは笹瀬になるな」と言われたのを覚えている。
ただ先の通り僕は3人の跳躍を何も理解していない。
でも来年もインターハイに出たいとも思っていたので「はい!」と僕は答えた。
そして僕の「はい」の中には「ライバルは笹瀬になるな」も含めての「はい」であったことは間違いない。
確かにそう思っていた。
しかし当時の僕のベストは4m65。
全く根拠がないけれども、どういうわけか笹瀬がライバルになると素直に思ったということ。
今思うと身の程知らずな感じするんだけど、先生のその言葉や初めて全国大会という場に立った経験が、ものすごく自分を引き上げてくれた。
自分でも何が起きたのか分析はできないが、何か根拠のない自信が沸いていたのは確かだと思う。
結果からすると実際ライバルになれたし、幸いにも雑誌のインターハイ特集では、永田か笹瀬かと書いてもらった。
結果笹瀬だったが…笑
あの「ライバルは笹瀬になるな」という言葉は先生がどんな思いで言ったのかは分からない。
けど僕の中では魔法のように引き上げてくれた言葉でもあった。
5m00なんて簡単に跳ぶなぁ
その後2年の冬には僕の自己ベストは4m91まで伸びていた。
インターハイを終えて先生の魔法の言葉もあり知らず知らずに5m00間近になっていた。
そんな中地元ということもあり横浜インドアに出させてもらった。
周りは大学生ばかりで初めてのシニアの大会。
僕は中助走で出場したので4m70で競技を終えたわけだが、大学生はここからが本番。
大学生の跳躍を見るもの初めてだったけど、もうインターハイの時の動作を理解できない永田ではない。
「ヤベェ」
目で見て分かる。語彙力は許してくれ。
隣で先生も「ほ〜皆んな5m00なんて簡単に跳んでくなぁ」と唸っていた。
けど僕の自己ベストも4m91まで来ているので5m00を越えるために大学生の技術を盗もうと、かじり付いて見ていたのを覚えている。
そこでふと思ったことがあって。
「簡単に跳ぶなぁ」この先生の言葉が僕の心に残っていて、「確かに! 皆んな簡単に跳んでるし僕も跳べるんじゃない?」とまた根拠のない自信が湧き起こってきた。
もはや技術ではない。
気持ちが変わった。
出典:藤子・F・不二雄「ドラえもん」より
その「簡単に跳ぶなぁ」という言葉を胸に残りの冬季に励み、初戦で5m00跳んだ。
つまりまた先生の言葉に引き上げられたわけだ。
これも先生が素直に発した言葉だとは思うんだけど、永田の成長のフックになった。
どこか5m00は難しいとか、厳しいかもと思っていた。
でも実際に簡単に越えていく大学生を見れたことと、それを先生が言葉という表現で簡単かも。と定かにしてくれたこと。
つまりビジョンが明確になり根拠のない自信が湧き上がってきて永田を引き上げてくれた。
因みにその試合で順大の大先輩が3回目の失敗跳躍の落下最中にポールがスパッツに引っ掛かりパンツ姿になっていた。
「スパッツ敗れたから、もう一本だろー!」ってアピールしていた。
ルールは守ろう。
最後に
根拠のない自信とはなんなのか
僕が思うに「人がふと発言したことにビジョンが見え何の疑いもなくそのビジョンを信じることができる」だと思いました。
思い描いていたビジョンが明確になり、心のストッパーが外れる。
出来るかも! と思える。
2つのエピソードを振り返れば先生の言葉だったわけだけど、それが友人なのかコーチなのか、はたまた別の誰かなのか。
強くなれば色んな人と繋がり、色んな言葉をもらえるようになる。
その中で心に響く言葉は絶対に皆んなあるはず。
響いたのであればその言葉を信じて一心不乱に頑張ってほしい。
そして心のストッパーを外す。
今思い返せば2年のインターハイで予選敗退した選手が3位以内の表彰台に乗ってる選手がライバルになる。なんて思ってる時点でおこがましい。
でもそれが根拠のない自信だし何がその選手を引き上げるかなんて分からないじゃない。
ただ一つ、今コーチの立場として思い返すならば、先生は永田の性格をちゃんと理解していてくれたんだなぁと思うのと同時に、永田なら行けるんじゃないか。というビジョンが先生には見えていたのかもしれない。
というのも、コーチも人間で想像できることしか言葉には出さないと思うんだよな。
少なくとも僕はそこを気をつけて指導している。
できるであろう事は出来るっていうし、現段階でできなそうな事、ビジョンが見えていないものに関しては見えないって伝えている。
つまり根拠の無い自信てのは心のストッパーが外れた瞬間に芽生えるもんだ。
それは人の言葉かもしれないし、自分で考えている時間かもしれない。
魔人ブウのように吸収しまくろう!
参加させてもらったアスリートの対談でも吸収力の話が出てきているのでチェック
出典:鳥山明「ドラゴンボール」より
ではまた次回っ
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