#148 過去の自己ベスト出した自分と現在の自分は同一人物なのだろうか

こんにちは。永田です!

競技をしていると、どうしても自己記録に引っ張られ、過去の自分の良かった映像を見返し現在と比べることをしてしまいます。

この時は思い切りが良かった。この時は走りが良かった。この時は怪我をしていなかった。など。

もちろん見比べてヒントになることもあるし、イメージがよくなることもあります。

しかし神話に「テセウスの船」と言うお話があります。テセウスのパラドックスとも言います。

テセウスのパラドックス

テセウスの船とは、ギリシャ神話に登場するテセウスが船で、クレタ島のミノタウロスという怪物を討伐しにいく話です。

記念としてその船は後世に残されたが、老朽化と修繕を繰り返していくうちに、元の船の部品は全て交換されても記念として残っています。

さて、元の部品が一つも無いのにその船を同じ「テセウスの船」と呼ぶことができるのでしょうか? という考え方です。

これに関しては色んな考え方ができるので、面白いと思っています。

是非皆さんの考え方も知りたいなと思う議題です。

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目次

同じ船か異なる船か

ここから先は、一つの考え方であり、これが答えです。というわけではありません。

まず僕の考え方で言えば、船に関しては異なる船なのではないかと思っています。テセウスの船に関しては。

なぜなら、部品を取り替え続けていけば取り外された部品があるわけで、取り外された部品を組み合わせれば、ボロボロの船が出来上がり、そこに二つの船が存在することになります。つまりそれは同じと言うにはかなり苦しいのではないかと考えるからです。

どちらがテセウスの船かと言われたらまた、ごちゃごちゃになりますが、僕の感情としてはボロボロの方をテセウスの船だと言いたいところです。だってその古い部品が実際に海を渡ってミノタウロス討伐に使われたのだから。

しかし、それは他人の船だからそう言えるわけで、自分に置き換えたらどうだろうか。

永田のチャリを同じように古い部品を組み替えていけば、同じ現象が起きます。

その際にいつも乗っている自分のチャリだ。となるのは、実際に乗っている部品交換されたピカピカのチャリンコを指差すと思います。

他人の話なら、いやボロボロの船が元々のテセウスの船だろと言いますが、自分のチャリとなればピカピカのいつも乗ってるチャリが永田のチャリだ! となるのはまさに不思議現象です。

出典:尾田栄一郎「ワンピース」より

麦わらの一味も、部品が変わったメリー号をメリー号と呼んでいます。

書いていて僕自身がテセウスのパラドックスに陥っており、パニックになってます。落とし所が分からん笑

ではここからが本題で、過去の自己ベストを出した自分と、現在の自分は同一人物だろうか。ここには色んな要素によって答え方は変わってくるのではないかと思います。

例えば、当時と体重や身長が違えば、特徴が違うため、違う状況だと言われれば僕は認めると思います。更に身体的特徴が違えば技術も変わってきて、またそれも違う状況だと言えるのではないでしょうか?

しかし、パフォーマンスをしたのは紛れもなく自分自身で何年前だろうと同じ人物です。人は船のように部品だけ取り替えられるわけではないですが、細胞単位で見れば毎日多くの細胞が入れ替わり身体を運営しています。

僕はこれに似た話を聞いたことがあります。

ラーメン屋の秘伝のタレ

ラーメン屋には秘伝のタレが存在するが、最初に鍋で作った秘伝のタレは毎日様々な調味料が継ぎ足されており、現在のタレは最初のタレとは異なるタレだ。

と言うものです。まさに先程のパラドックスと同じことが言えます。

競技者は秘伝のタレの方が分かりやすいと思っており、練習内容が変わってきたり、自己の意識も変わってくれば選手の味も変わってくるでしょう。

そんな時に自己ベストを振り返り、どんな練習をして、どんなスパイスを入れていたっけ? とその当時の練習法やスパイスを入れても現在のタレとは合わず解決にはならないのではないでしょうか? と個人的に思っています。

大学生を指導する中で、不調になると「あの時のスパイス」に縋る選手が見受けられます。高校の時にやっていた練習を急に取り入れますが、結果として不調の解決にはなることはほぼありませんでした。

と言うことは、現在の鍋のタレに入れるべきは今の味に合ったスパイスであり、過去のスパイスではないと言うことです。頭をさっさと過去の自分から切り替えて現在の課題に向き合えない選手は残念ながら記録を伸ばすことは一気に難しくなります。

また、そのように迷っている選手には「この調味料がいいよ〜」などと、現状を見ずに話だけ聞いて自分を解決してくれた調味料を教えてくれる人もいますが、これも残念ながら解決になることは少ないです。

つまるところ、自分で考えず目を背け始めたタイミングで記録は伸びにくくなると言うことです。

だから僕は選手に考えさせ続けるし「今の秘伝のタレは何が足りないんだ?」と問い詰めます。記録を伸ばすには必要な工程だと思います。

僕が知っている調味料なら、差し出すし分からなければ僕も考え知識を入れ、仕入れ作業をしなくてはなりません。

本当に終わりがない。


最後に

テセウスの船から、秘伝のタレと盛りだくさんに書いてしまったが、僕は書いていて整理できたことは、船もタレも色々と入れ替わっていく以上「違うもの」という認識です。

同じだと思う人もいると思います。答えはないので色んな人と話をしてみても楽しいと思います。

これを書いていて、もう一つ思ったことは、他人の技術は真似できるのか? と言う問題。

できると思った人は「同じ設計図で同じ材木を使った船は、同じ船である」と言っているようなもんだと思います。僕はここにもどうしても違和感を感じてしまう。

材木にもクセはあるだろうし、同じように見えて耐久性も違うのではないかということを考えると同じではないのではないだろうか。

待って。もう無理だわ。頭がパニックになる。皆さん混乱させてしまいすみません笑

僕のまとめとしては、「過去の自己ベストは同一人物だけど別人!」今の自分に向き合わないと前には進めない!

是非、テセウスの船問題を考えてパニックになってください。

ではまた次回っ

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