#53 「1から頑張ります!」の1ってどこのことを言うのでしょうか?

こんにちは。永田です!

 

前回記事大阪室内の感想のほかにもう一つ思っていることがあります。

今回の試合でも多く耳にした言葉。

 

「1から頑張ります。」

「1から出直します。」

 

この言葉、僕も昔は使っていましたが、あるときから使わなくなりました。

SNSでも多く見かけるし何となく言ってしまうような言葉。

 

僕はこの言葉に違和感を感じています。

一読して共感してもらえるのなら、言わないように心がけてほしいなとも思っています。

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目次

そこまでの道のりの否定感

「1から頑張ります。」

この言葉はなんか便利な感じするし、これからまた立ち向かうんだ! と意欲的に聞こえるかもしれないが、僕が第一に感じるのは、別に1まで戻らなくて良くない? である。

 

いやいや、永田さん。マジにならないでよ。建前で言ってるんだよ。ってんならますます言わなくて良くないと思います。

 

その言葉の何に違和感を感じるかというと

 

今回失敗したのでここまでの道のりは間違いでした。改めてスタート地点に立ち返り、今回とは違う別の道から次の目標に向かって頑張ります。

 

って感じに聞こえるのですが皆さんはどうでしょうか?

それって今までの頑張りは無駄で流した汗も、立ち向かった勇気も、苦しかった日々まで否定するの? って感じてしまいます。

 

いやいやだから永田さん。マジにならないでって。

そんな本気でこっちも言ってないから。

というのなら僕はこの言葉に本気で立ち向かった一人でもあるわけです。

 

そりゃ試合で上手くいかなかったり結果が出なければ失敗の烙印を押されてしまう。かもしれないけれど、そこまで悲観的に自分を追い込まなくても良いんだよ。と伝えたい。

 

実際に2年前、選手が日本選手権で記録が残せなかった時に伝えた言葉がある。

「今回は結果が残せなかったけど、1からやり直しではない。ここまでやってきていることは間違いではない。この場所からまた進もう。」

 

とメッセージを送りました。

 

つまり本当に積み上げてきたものを全部ぶち壊さなくてはいけないの? その積んできたものから手段は他にもあると思うし、なんなら間違っていない。できると思うよ。ということです。

 

よく映画やドラマでも売れない絵描きが「あ”ぁーー!」とか言いながら自身の描いてきた絵を絵の具でめちゃめちゃにしてしまうシーンなどがあります。

そしてそばで支えてきた人がそのグチャグチャになり床に放られた絵を拾い説得しに行くまでが、大体の物語の流れな気がします。

 

アスリートも同じようなことをしていませんか?

パフォーマンスは作品のように形には残らないからそういった事と同じだと言われてもピンとこないかもしれないけれども、どうも同じことをしているのではないかと僕は感じています。


結果の有無はコーチの責任

試合では成功と失敗がバチっと評価されてしまう。

特に陸上競技は数字で評価されてしまう。

ここに苦しむ選手がとても多いです。

 

僕もその一人でした。

 

でも、今コーチとして指導をしていると感じることは、選手が結果を残せなかったのはコーチの責任でもあるということ。

はじめの一歩の鴨川コーチのセリフが脳天ぶっ叩いてきます笑

 出典:森元ジョージ「はじめの一歩」より

これをコーチの立場になって読んだ時、気絶するかと思った。

というか白目は剥いたかもしれない。

 

ただ選手の立場になるのなら、いきなり「コーチの責任です」とか言うやつは競争社会神から「お疲れっ」と言われるだけです。

 

まぁどちらの立場にせよ、人のせいにするなってことですね。

 

僕の中で何を大事にしているかというと、選手が失敗をしたことに負い目を感じてほしくない。ということです。

失敗したのは挑戦したからだ

 

挑戦ってアスリートからしたらとても簡単なことなんだけど、スタートラインに立つことを怖がってしまう人も世の中にはたくさんいます。

それは失敗を恐れているからだとも思っています。

 

失敗は自己肯定感を失い、人からの評価も下げてしまうと思ってしまうが、まず言いたいのは、挑戦したことを誇ってほしいと思っています。

確かに数字によって優劣はついてしまいますが。

 

次に向かって歩もうとしている選手を支えるのが周りの人ができることです。

ただ立って進まなくてはならないのは他の誰でもなく選手自身です

 

それをその時折で声をかけ、前に進めさせるのがコーチの役割だと思っています。

座って止まりたいなら一緒に座るのもコーチだと思っています。

少し語ってしまいました。

 

ただ今、湧いてきているものを書き記すのがブログだと思っています。


最後に

「また1から頑張ります。」

これを読んで共感していただけたなら口にしないほうが良いかと僕は思っています。

ただ本当に全てを破壊して再構築しないといけない時もあります。

 

その判断はコーチと選手が共通認識の元取り組むべきだと感じています。

 

もし建前上、便利な言葉だから使っていると心当たりがあるのなら、なおさら言う必要はないとも思います。

 

なぜなら自分の積み重ねてきたものに自信を持てないのであれば、いつまで経ったって1から頑張らなくてはならないと思っているからです

 

ステージ3までクリアしたって死んだら1−1から。

ステージ6までクリアしたって死んだら1−1から。

 

僕たちアスリートはマリオではありません。

ステージ3まで行ってんならそこから課題を潰せば良い。

ステージ6まで行ってんならそこから課題を潰せば良い。

 

むしろ人生1からやり直します! なんて出来ないんだからそこから進むしかない。

 

まぁ…大学生くらいには戻りたいんですけどね笑

 

ではまた次回っ

 

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