#119 パワーを付けたいならフォースとパワーを区別しよう  

こんにちは。永田です!

 

今日はフォースとパワーについて書きたいと思います!

フォース!? スターウォーズですか?

ごめんなさい。永田はスターウォーズを見たことがありません汗

 

今回のフォースは皆さんが言う「パワー」と混同してしまっているのではないかと思って書きたいと思います。

 

多くのアスリートはパワー発揮が。とかパワーを付けたい。とか色んな課題と向き合いながら競技をしているのではないかと思います。

でもそのよく言う「パワー」って何ですか? って話です。

 

物理的な話になります。物理は僕も苦手です。

大学時に単位も落とし、先生に「僕に単位をください!」と直談判したこともあります笑

 

話はさておき、逆にフォースは馴染みがない言葉、物理が苦手な人は、むしろスターウォーズでしか聞いたことねーぞ。って思うかもしれません。

永田もその一人です。

 

フォースを理解しておいた方がパワーをより理解しやすくなり、何をすれば良いのかが明確になるのではないかと思います。

 

物理が苦手な永田が書くので、物理が苦手な人も分かりやすいように書いていこうと心がけます笑

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目次

まずパワーとフォースって何のこと?

まずこれですよね。パワーって何ですか?

日本語訳にすると「力」って出てきます。

 

では、フォースは?

これも「力」って出てきます。

 

はい。パニック。

何言ってるかよく分かりません。

 

日本語では同じ「力」と訳されますが、多少ニュアンスが違います。そこを知ることが大事。

知らないことが恥ずかしいのではなく、知ろうとしないことが恥ずかしい行為です。

 

ではフォースの説明からします。

物理方程式は F=ma (フォース=物体の質量×加速度)

フォースは簡単に言うと「物体に加える力」です。

 

・パソコンをタイピングする指もフォース

・歩く時に床に加える足の力もフォース

・メディシングボール投げもフォース

 

メディシングボールを投げる際にボールを加速させればさせるほど遠くに飛んで行きます。

3kgよりも5kgが飛ばないのは質量が重くなり加速が困難になるからです。

 

ベンチプレスやデッドリフトで1mmも動かすことができなければ、速度が変わらないほどの加速度であるためフォースも質量未満となります。

 

100kg(デッドリフト質量)×0.8(加速度)=F(80)

となり、フォースが質量の100を超えません。

どんなに血管を浮き上がらせて力んだとしてもフォースは質量未満ですのでバーベルは動きません。

 

またこのように加速度はマイナス方向にも働くので、スレッド走などで後半減速するのは加速度がマイナス方向に働いているからです。加速度が小さくなればいずれ引けなくなり加速度が1を下回った時に動かなくなり力付きます。

 

 出典:板垣恵介「刃牙」より

 

繰り返しますがフォースは「物体を動かす力」ということになります。

 

ここまでがフォースの説明です。

あれっ? これってパワーじゃないの? と思った方は、パワーとフォースがごっちゃになっています。僕もそうでした。ごっちゃごちゃだったのでよく分からないトレーニングをしていました。

 

ではパワーとは。

 

パワーの物理公式は

P=Fv

パワー=フォース×速度です。

 

つまり、みんなが上げたいパワーにはフォースが必要だということです。

 

もっと噛み砕くと

パワー=(質量×加速度)×(距離÷時間)です。

 

速度も砕けば距離÷時間です。

パワーは色んな要素が含まれて成り立っています。

 

在来線よりも新幹線の方が同じ距離を短い時間で行けるのは速度が速いからです。

 

パンチも同じ腕の長さ(距離)の人がノロいパンチと速いパンチを繰り出した時に速いパンチが痛いのは同じ距離を短い時間でパンチするからパワーが上がり痛いんです。

50cm(腕の長さ)÷0.5秒(パンチ完了時間)=100

P=F×100

P=100F

 

50cm÷0.2秒=250

P=F×250

P=250F

 

そしてより腕が長い人が速いパンチを繰り出せば、より長い距離で短い時間のパンチだからパワーが強くなります。

70cm÷0.2秒=350

P=F×350

P=350F

 

つまり、パワーを上げるためには、Fとvの掛け算ですので大きくしなくてはならない要素と小さくしなくてはならない要素があります。

 

まずは質量と加速度はマストで大きくしなくてはなりません。

先程のフォース(F)です。

「物体に加える力」が大きいに越したことはないということです。

 

そして速度の要素は割り算が入ってくるので、「時間をかけてはならない」ということが分かります。

時間がかかればかかるほど速度の数値は低くなってしまい、結果的にいくらフォースだけ数値が高くても速度が低ければパワーの数値も上がりにくくなってしまいます。

 

これに陥らないためにアスリートはプライオメトリクスなどで接地時間を短くした上で高さや距離を出す練習をする必要があります。

 

スプリントの接地や跳躍競技の踏切時間は0.1秒(ハイジャンは0.2秒)と言われています。

その0.1秒にどれだけのフォースを地面に加えられるかが勝負なんです。

 

ここから先の詳しい話は力積の話になってしまうので割愛します。

 

同じパワーを持っていたとしても、ピークパワーを出すのにに0.5秒かかってしまうのであれば、そのパワーは0.1秒しかない接地時間のスプリントや踏切動作に最大限使われていないわけです。

ピークパワーを0.1秒で出せれば理想的ですが、それはなかなか不可能です。

 

初速でMAX出せるのは人間ならば刃牙くらいです笑

 出典:板垣恵介「刃牙」より

 

ですので、そもそものパワーの要素が何なのかを理解することは練習計画や課題解決のヒントになったりするわけです。

 

なぜ、あの人は速いのだろうかとか、なぜあの人は重さを扱えるのに脚が遅いのだろうかとか、華奢に見えてメディシングボール飛ばすなぁとか、物理がほんのり分かるとが見えてきたりするのものもあったりします。


最後に

ちょっと分かりにくいところがあったりしたかもしれません。

僕も物理が苦手でしたが、トレーナーやコーチになった時にちゃんと勉強しないと説明ができないと思い少しづつ勉強しています。

 

高校受験の時に親戚のおじさん(航空宇宙工学専攻)に「棒高跳なんて物理でしかないだろ」と言われましたが当時はその言葉に理解ができませんでした。

しかし棒高跳なんて物理でしかありませんでした笑

 

その物理現象を引き起こすのがアスリートの心や感情だったりするので面白いです。

理屈は分かってなくても体で表現するのがアスリートの能力です。

 

ただ、知っておいて損はないので今回の記事でパワーというものが色んな要素で成り立っているということを理解しトレーニング計画の役に立てば嬉しいです。

 

パワー=フォース(質量×加速度)×速度(距離÷時間)

 

そしてコーチ目線で思うことは物理の理解ができている学生には指導しやすいし、本人と共通認識しやすいので、道筋がはっきりし結果に結びつきやすい印象があります。

逆に物理を理解していない学生は永田さんの言ってること分からねぇとなります…。

 

僕もコーチとしてより分かりやすく選手に伝えられるよう努力しないといけません。

 

今の知識と考え方で競技をやり直したい!

時は戻せない。

 

ではまた次回っ

関連:初速をMAXに実現する方法の話

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