#143 芥川賞候補作:我が友、スミス/「別の生き物になりたい」

こんにちは。永田です!

みなさん。スミスマシンというトレーニング器具はご存知でしょうか? それはそれは大変人気なトレーニング器具で左右にレールがついており、トレーニングの軌道を正してくれる初心者にも上級者にも愛されているものです。

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感想(1件)

そんなスミスマシンが題名になってしまうほどニッチな小説があるんです。その名も「我が友、スミス」

もう面白い気しかしません。義父に「こんな本があるみたいだよ」と紹介していただいたのが発端で僕より先に妻が食いつき即購入していました笑

我が友、スミス

「別の生き物になりたい」。筋トレに励む会社員・U野は、Gジムで自己流のトレーニングをしていたところ、O島からボディ・ビル大会への出場を勧められ、本格的な筋トレと食事管理を始める。鍛錬の甲斐あって身体は仕上がっていくが、職場では彼氏ができてダイエットをしていると思われ、母からは「ムキムキにならないでよ」と心無い言葉をかけられる。モヤモヤした思いを解消できないまま迎えた大会当日。彼女が決勝の舞台で取った行動とは?  出典:集英社より

そんな我が友、スミスより深く共感した内容や、言葉を紹介します。紹介し尽くせないほど突き刺さる言葉や描写があったのですが、本当に頑張って3つに絞りました。是非気になった方は読んでほしいなぁと思っています。

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トレーニングで身につけられること

まず冒頭の初文が最高です。

火曜日は脚の日だ。

石田夏穂:我が友、スミスより

もうここに全てが凝縮されている一文で、初手に持ってくる巧みさ。全く大衆受けは狙っていないのが分かります笑

そんな一文を紹介してしまいましたがこれは厳選の3つには含まれません。というわけで早速1つ目を紹介します。

筋トレをすると、自分の大したことなさが文字通り身を以てわかるのだ。肩で息をしながら、ああ、自分はこのたった三枚のプレートに負ける存在なのだと。そうした敗北感に日常的に接しているからこそ何やら悟りに至った禅僧のような、一皮剥けた謙虚さが身についてしまうのだろう。人格者化するトレーニーは後を絶えない。

石田夏穂:我が友、スミスより

この文章には唸りました。自分が人格者であるかどうかは置いておいて僕の周りには見習わなくてはならない人格者がたくさんいます。そしてみんなトレーニングを欠かさず行い一線を越えてしまっている方々です笑

そこに至るには自分を追い込んでいるということです。

僕もよく思うことがあります。「こんな無機質で冷たくて血も涙も通っていない鉄の塊に永田が負けるわけない」と。何度も何度も思い込んでは立ち向かい必ず敗北します。結局無機質こそ最強なんです。その敗北感を繰り返し繰り返し行ってきたが故に「永田さんって何だか悟り拓いてますよね」と何人の方に言われたか…笑

そうなんです。トレーニングで得られることは筋肉だけではありません。謙虚さも同時に得ることができるのです。この無機質な鉄の塊の前では無力になるタイミングが来ます。どんな屈強な男でもひれ伏すんです。そして天を仰ぎ自分の小ささを噛み締めるんです。デカい男が笑

敗北感は人を成長させます。


次に紹介したい一文は

天才ではないなら、まずは模倣を極めることが、この競技に限らず、一流になるための最短距離だということ。

「あなたが考えているより、この競技はずっとクラシックなのよ」

石田夏穂:我が友、スミスより

これは確かにそうだよなと納得の一文です。

そして注意すべき点は模倣する対象です。ここには記載されていませんが僕の考え方だと自分よりも少しだけ上の人の模倣することが良いのではないかと考えています。

何故かというといきなり一流の模倣を始めたとして、それは模倣しているつもりでも、1mmも掠っていない可能性があるからです。例えば一流のビジネスマンは「やりたい事で生きていこう」とか「好きなことを仕事に」とか「好きに遊べよ」とか色んなことを教えてくれます。

それはどれも稼げていることが大前提です。まだバカみたいに稼げていない状況でそんなことを真似するスットコドッコイは身を滅しスカンピンになります。稀に突き抜けちゃう人もいますが外れ値です。

それがダイエットやスポーツになると混同してしまう人がたくさんいます。まず模倣すべき対象は1流ではなく、自分の少し先にいる人です。100mなら自分より0.5秒くらい速い人だったり、ダイエットならば自分より少し頑張っている人が何をしているのかを知ることです。

トップアスリートの技術やトップモデルの食事法などをSNSで拾い見して模倣しても中々成果が現れないのではないかと思います。何故なら1流とのプロセスの量やマインドや失敗の数が違うから。

そして何よりも気をつけなくてはならないのは自分を天才だと思わないことかと思います。自分はこの3枚のプレートにも負ける存在なんです。天才ではありません笑

なんともニッチなストーリーだからこそこんなに深い言葉が生まれたのではないかと思います。


最後になります。

私達は決して脚のトレーニングを怠らない。なぜなら極論すれば人間の半分、つまり私達の存在の二分の一は、脚なのだ。

石田夏穂:我が友、スミスより

とてもアホな文章だがその通りだと言わざるを得ないし、僕も脚のトレーニングから逃げてはならないと考えている。

これに関しては説き伏せる気もない。全ては冒頭の「火曜日は脚の日だ」に詰め込まれているから。

できるならやりたくないし、しかも誰からも頼まれてもいません。なのにシャフトを担いでしゃがむ人種はシャフトを担いでしゃがむ事に価値を見出しているからです笑 そこに言葉や文章で伝えられることは限りなく少なく実際に継続的にしゃがんみ続けないと分からないことがあります。

そして脚の日から逃げるトレーニーはチキンレッグを揶揄され脚もハートもチキン野郎だと言われます。…あれ? 人格者の話は何処へ?笑 と人のことをチキンレッグと言っている段階ではまだまだだということですね笑

最後に

我が友、スミス。なんともニッチで大衆に刺さらないであろう作品です。芥川賞候補に選ばれる作品は芸術的で文学的な作品と言われています。これも納得です。

芸術的となると全てに刺す必要はないということで刺さる人に刺されば良いという。分かる人だけにとことん全振りしています。そんな「我が友、スミス」是非おすすめで、上記にある以外にも深い言葉やめっちゃ分かるわ〜などのトレーニングあるある、ジムあるあるが満載で、電車で読みながらマスクなしだったら完全にアウトくらいにやけてました笑

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感想(0件)

ナイスバルクっ

ではまた次回っ

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